地歌。京風手事物。 松浦検校作曲。 「松浦四つ物」の一つ。松浦作品の中では最も大曲の一つ。手事前後2回あります。宇治の茶の銘をつづって春、夏、秋の風情を歌っています。
【歌詞】
万代を、摘むや茶園の春風に、寿添へて佐保姫の、 賑はふ袖の若緑。
人目をなにを初音。霞を分けて青山の、 小松の城や綾の森、千歳障りもなしむしに、
齢ひ老いせぬ姥昔。誰にも年を譲り葉の、千代の緑の松の尾の、 神代の末の後昔。
光を添へて園の梅、なお白梅の色香にも、 深くぞうつる川柳。
湖水越すだに宇治の波、初花見する山吹の、 花橘の匂ふてふ、夢を結ぶの折鷹や、
小鷹の爪に枝しめて、 木蔭も多き一森の、喜撰の庵の夏の峯。滝の音をも菊水の、
朝日山の端、薄紅葉、高尾の峰に雁がねの、あさる声々笠取の、 数万所面白や。
心を澄す老楽は、祝ひの代にうたふ舞鶴。
【その他の演奏形式】
二重奏(三絃・尺八)~https://youtu.be/SpHmn_YIUgM
二重奏(三絃・箏)~https://youtu.be/gY5FqsHOQYg
三重奏(三絃・箏・尺八)~https://youtu.be/6axz4Awsx-4