地歌、筝曲。国山勾当作曲。手事物。玉川とは川の名で、六ヶ所あり六玉川と言われます。 歌枕で有名な玉川を詠んだ和歌六首を、四季の順に山城(京都府)、摂津(大阪府)、近江(滋賀県)、陸奥(宮城県)、武蔵(東京都と神奈川県の境)、紀伊(和歌山)と引用しています。 手事部で「さらし」を描写しています。
【歌詞】
山城の、 井手や見ましと 駒止めて、(合)なほ水飼はん山吹の、花の露そふ春の暮れ、(合)
夏来にけらし見渡せば(合)波の柵かけてけり、卯の花咲ける津の国の、
里に月日を 送る間に、(合) いつしか秋に近江なる、野路には人の 明日も来ん、(合)
今を盛りの 萩越えて、色なる浪に宿りにし、月の御空のつゆ深み、(合)
雪げ催ほす夕されば、(合)汐風越して 陸奥の、 野田に千鳥の、(合)
声淋しゆかし、(合)名だたる武蔵野に 晒す。 [手事]
さらす手づくりさらさらに、(合)昔の人の恋しさ、
今はたそひて奥山の、その流れをば 忘れても、 汲みやしつらん 旅人の、(合)
高野の奥の 水までも、名に流れたる 六つの玉川。
【その他の演奏形式】
二重奏(三絃・尺八)~https://youtu.be/H4qpy8uukG4
三重奏(三絃・箏・尺八)~https://youtu.be/Xh3LId2EBf4